同志社大学の﨑田智子先生主導の国際共同研究です。世代を超えた戦争体験の集合記憶がどのように形成されていくか、言語科学(主にDu Boisの対話統語論)の観点から研究していくというものです。本研究では、自然談話として、戦争体験に関して伺ったことについての「語り」をお聞かせ頂ける方を探しております(詳細は、お問い合わせください)。
個人的には、言語的な側面以上に、沖縄県においては、戦後80年を経て、過去の戦争体験をどのように語り継いでいくか、という問題に取り組むことが重要と考えています。琉球諸語の研究で、言語調査中に戦時中の話題が自然談話中に出ることもあったそうです。下地先生のお話では、近年では、そのような機会も減りつつある(戦争を直接体験した世代から、直接的に話を伺うことができる機会が失われつつある)ようです。
学生時代、国際通りで飲んでいるとき(明け方まで、ご家族の戦争体験と、機銃掃射の話を伺った記憶があります。個人としては、小学校の頃、図書館で『はだしのゲン』や妹尾河童『少年H』といった作品を通して触れたことがあります)、沖縄県教育委員会の方とお話ししたときなどに、戦時中の話題が浮上することがよくありました。沖縄県内では、潜在的に「語りたい」という情熱をお持ちの方も多いということを経験的に感じています(平和教育もそうですし、ご家族から、あるいは学校教育においても、直接・間接的に聞かされた体験を伺ったことがあります)。
沖縄県内においては、2020年前後、歴史研究の分野が若手研究者の間で盛り上がっていた記憶があります。専門家との連携と慎重な取り組みが求められるテーマではありますが(積極的に語る必要性を認識していたり、語りを記録し、継承していきたいという問題意識を強く抱いているのでなければ、敢えて積極的に語ろうとするものでもないでしょうし)、沖縄県内における潮流も踏まえ、過去の体験をどのように語り継いでいくか、といった点からも重要な基礎研究であると考えています。
主に言語科学の観点から、お力になれれば幸いです。